PTX1000シリーズのモジュラルーター

これらの課題に対応するため、ネットワーク事業者は、ネットワークに拡張性、柔軟性そして信頼性をもたらすルーターを必要としています。Juniper Networks^®PTXシリーズスーターは、コア、ピアリング、データセンタースパイス、データセンターエッジ、インフラストラクチャエッジルーティングのすべてにおいて、クラウドとサービスプロバイダのどちらのネットワークにも容易に適合し、ハイパフォーマンスネットワークを次のレベルへ押し上げます。（図1）。

PTXシリーズルーターには、ジュニパーのカスタム可能なExpressファミリーASICsが搭載されており、400 GbEアーキテクチャに対応し、予測可能なIP/MPLSパケットのパフォーマンスと機能を提供することで、他のコアルーターに採用されている複雑で過剰設計されたネットワーク処理装置に見られるような複雑なパケットプロファイルを必要としません。 

PTXシリーズルーターは、クラウドおよびサービスプロバイダネットワークに、物理的および仮想的なイノベーションをもたらします。これらの次世代ルーターは、自動化、最適化およびプログラマビリティを通じて、現在および将来のトラフィック需要に効果的に対応しながら、ネットワーク事業者がビジネス目標の達成できるようにサポートします。

PTXシリーズルーターは、ジュニパーのExpress ASICsのメリットとと、Junos® OSの信頼性と親しみやすさを兼ね備えています。PTXシリーズルーターは、機能が豊富で400G向けに最適化された、固定プラットフォームとモジュラープラットフォームで構成されています。

PTX10004（4スロット）、PTX10008（8スロット）、PTX10016（16スロット）モジュラールーターは、ジュニパーのExpress4 ASIC搭載のラインカードを活用して、ディープバッファ、柔軟なパケットフィルタリング、帯域幅の需要の高いコアおよびピアリングアーキテクチャをサポートします。 

PTX10004、PTX10008、PTX10016は、400GbEネットワークへの移行と拡張をサポートするためにクラウド向けに最適化された製品です。これらの高密度ルーターは、スペースや電力に制約のある環境向けに設計されており、400GbEアーキテクチャをサポートし、すべてのポートでインラインメディアアクセス制御セキュリティ（MACsec）を使用して妥協のないセキュリティを実現しています。 

PTX LC1201 と LC1202 ラインカードは、QSFP アダプター MAM1Q00A-QSA により ネイティブなSFP+ トランシーバーをサポートします。このオプションは、10KMを超えるシングルモードファイバーリンクでの10GE接続が必要な場合に展開可能です。

これらのモジュラールーターにより、ネットワークオペレータはラベルスイッチングルーター（LSR）、インターネットバックボーン、ピアリング、光コンバージェンスなどの用途向けに最適なコアアーキテクチャを構築することができます。

その結果、事業者は、強化されたコアルーターのパフォーマンスと柔軟な導入を使用して、トラフィック需要に対応することができるようになります。超最適化されたコンパクトなフォームファクターにより、PTX10000シリーズは、スペースと電力に制約のあるピアリング、コロケーション、セントラルオフィスなどに最適です。

シリコンを絶え間なく革新することで、PTX10000モジュラールーターでは、トラフィックパターンの変化に応じたスムーズな移行パスで、スケールアップおよびスケールアウトアーキテクチャに対応することが可能になりました。ジュニパーのカスタム可能なExpressシリコンでは、アダプティブロードバランシング、データ構造の共有、リソース活用の向上が可能であり、ビット当たりのコストを低減しながら、付加価値リソースをサポートしてフィルタリングの柔軟性を高めることができます。

PTX10004、PTX10008、PTX10016は、非常に拡張性に優れたJuniper Express4シリコンを搭載しており、業界初の400GbEチップ向けのインラインMACsecでユニバーサルマルチレートQSFP56-DDをサポートします。Juniper Express4シリコンは、一貫した低レイテンシ、8Mカウンター、全ポートが対応する256 AES（Advanced Encryption Standard）MACsec暗号化、IPトラフィックにおける有線速度のパケットパフォーマンスを実現し、最適化されたシステム電力プロファイルを犠牲にすることもありません。Junos Expressシリコンファミリーのコンセプトを受け継ぐJuniper Express4シリコンは、基本設計に3Dメモリアーキテクチャを採用した初の通信専用シリコンで、ラックユニット数を最小限に抑えながら、業界最高のギガビットあたりのパケットパフォーマンスを提供します。また、大規模なIPルーティングを実現するための動的なテーブルメモリ割り当てを提供し、ギガビットあたり0.14ワットという驚異的な電力効率の向上を実現しています。

プロバイダのコアなネットワーキング要件であるスケール、運用の柔軟性、SDNコントロールに対応する能力は、まずシリコンから始まります。PTX10000シリーズでは、オペレーターはJuniper Paragon Automationスイートのすべてを使用して、コアアーキテクチャを導入することができるようになりました。 

PTX10000シリーズのパケットトランスポートルーターには、複数の重要なアーキテクチャ要素が備わっています。PTX10004、PTX10008、PTX10016のデュアル冗長ルーティングエンジン（RE）では、ジュニパーのJunosオペレーティングシステムが実行されており、Junos がすべてのルーティングプロトコルプロセス、ルーターインターフェース制御、およびシャシーコンポーネント、システム管理、ルーターへのユーザーアクセスなどのコントロールプレーン機能を管理します。さらに、独自の暗号化デジタルIDがTrusted Platform Module（TPM）に追加されており、最新世代のREに組み込まれています。この追加により、デバイス認証とセキュリティの向上が実現します。REのプロセスは、専用の広帯域管理チャネルを介してラインカード上のパケット転送エンジン（PFE）と相互作用しており、制御プレーンと転送プレーンが明確に分離されています。

PTX10004、PTX10008、PTX10016 Expressベースのラインカードは、現在10GbE、25GbE、40GbE、100GbE、400GbEの各インターフェイスをサポートしています。シャーシ前面の水平ラインカードは、直交相互接続を介してシャーシの背面にある垂直スイッチファブリック カードと直接接続できるため、ミッドプレーンを必要としません。そのため、高速のスイッチファブリックが発売されるとスムーズにアップグレードでき、投資が保護されます。ミッドプレーンレス設計により、フロントツーバック設計でエアフローを改善し、無限の拡張性が得られます。

PTX10000 モジュラー シャーシのファン トレイは、中断のない連続運用を維持するため、冗長可変速度ファンによって、ライン カードと RE を冷却します。さらに、 PTX10000シリーズの電源は、建物の電力をシステムが必要とする内部電圧に変換します。PTX10000シリーズのすべてのラインコンポーネントはホットスワップが可能であり、すべての中枢機能は冗長構成で利用できるため、保守や修理時にもシステムを継続的に稼働させることができ、高い運用性を実現しています。

PTX10004、PTX10008、PTX10016モジュラールーターの主要なハードウェアコンポーネントには、スイッチファブリック、RE、ラインカードが含まれます。 

ラインカードも、最大400GbEまでのサポートされているインターフェイスレートで、スループットを損なうことなくネイティブMACsecをサポートしており、イーサネットリンク上でポイントツーポイントのセキュリティを提供します。MACsec は、DoS、侵入、中間者攻撃、なりすまし、受動的盗聴、プレイバック攻撃などのセキュリティ上の脅威をブロックすると同時に、LLDP（Link Layer Discovery Protocol）、LACP（Link Aggregation Control Protocol）、DHCP（Dynamic Host Configuration Protocol）、ARP（Address Resolution Protocol）などからのほとんどのトラフィックフレームについてリンクを保護します。すべてのポートは、400GbE ZRおよびZR+光インターフェイスに対応しており、密度を損なうことなく、フルパケット/オプティカルコンバージェンスに対応する準備ができています。

PTX10004は3個の電源スロット、PTX10008は6個の電源スロット、PTX10016は10個の電源スロットを備えており、プロビジョニングと冗長化において完全な柔軟性を提供します。各電源に固有の冷却用内部ファンがあります。PTX10000シリーズは、AC電源とDC電源の両方をサポートしていますが、AC電源とDC電源を同じシャーシに混在させることはできません。2世代の電源があります。第1世代はExpress2ラインカードに対応しており、第2世代はExpress2とExpress4ラインカードの両方に対応するように設計されています。

PTX10000シリーズルーターに搭載されている第1世代のAC電源は、200～240ボルトの交流電流（VAC）入力に対応しており、2700ワットの電力をシャーシに供給します。第1世代のDC電源は-40～-72 VDC（直流電圧）入力に対応し、2,500ワットの電力をシャーシに供給します。AC および DC の各電源には、給電の冗長化のために 2 つの入力が用意されています。

PTX10000シリーズルーターの第2世代AC電源（AC2）は、低電力モードまたは高電力モードのACまたはDCシステムに対応した大容量の高ラインモデルです。電源はAC入力を取り込み、12.3 VDCのDC出力を提供することで、単一のフィードで5000ワット、デュアルフィードで5500ワットを供給します。ACシステムの動作入力は180～305 VAC、DCシステムの動作入力は190～410VDCです。第2世代DC電源（DC2）は、単一の筐体に2つの電源を搭載し、4つの冗長入力電源を使用して60Aまたは80Aのいずれかを対応します。

PTX10000シリーズはREの穿孔部とプラットフォーム正面にあるラインカードを通じて空気を取り入れることで、フロントツーバックの冷却を行います。ファン トレイはファブリック カードの正面にあり、シャーシ背面からアクセスできます。熱気はシャーシ背面から排出されます。

PTX10000 シリーズ ルーターは、環境監視や FRU（現場交換可能ユニット）制御ができる、パワフルな Junos OS シャーシ管理を提供します。シャーシ管理によって、プライマリスイッチオーバーの迅速化、モジュラー式電源管理による電源割り当ての拡張、部分実装システム向け消費電力の削減、FRU電源オンのきめ細かな制御、アダプティブ冷却、監視間隔時のCPUの平均化などを実現します。

PTX10000シリーズルーターは、Junos OSの優雅さとシンプルさを基盤に、管理を簡素化します。管理アプリケーションは、ストリーミングテレメトリーデータを受信し、SDN環境に堅牢なプロトコル分析を提供することができます。Junos OSは、設計による耐障害性、運用の一貫性、そしてネットワークの進化に必要な多様性を実現します。

PTX10008は、ジュニパーのSONiC実装をサポートしており、SONiCのオープンで分離したアーキテクチャの柔軟性を利用しながら、クラウドオペレータに最適なハードウェアを提供します。SONiC対応のPTX10008プラグは、既存のPTX10008ハードウェアを活用して、統一されたSONiCネットワークインフラストラクチャにシームレスに接続します。ジュニパーが提供するSONiCイメージは工場出荷時にハードウェアにインストールされており、Express4 ASIC向けのJuniperのSAI（Switch Abstraction Interface）の実装とラインカードのPFEソフトウェアを含む、プラットフォームのデバイスドライバーとジュニパーのHAL（Hardware Abstraction Layer）が含まれています。

モジュール式の高密度マルチPFE 400GbE/100GbEプラットフォームであるPTX10008は、データセンターIPファブリックの大規模なスパインレイヤーアプリケーションに最適です。ジュニパーは、パッケージ化されたフル機能のルーティングおよび管理スタックを提供する、コンテナ化ルーティングプロトコルデーモン（cRPD）でSONiCを補完しています。データセンターのさまざまな階層で共通のエンドツーエンドのルーティングエクスペリエンスを実現します。さらに、cRPDは、高性能なテレメトリ、自動化、およびプログラマビリティを、軽量な配置で実現しています。SONiCで使用できる機能については、SONiC導入ガイドを参照してください。

ジュニパーネットワークスは、ネットワークの高速化、拡張、最適化を実現する高度なパフォーマンスサービスに対応するリーダーです。当社のサービスをご利用いただくと、コストを削減し、リスクを最小限に抑えながら、業務効率を最大限に高めることが可能となり、早期にネットワーク投資の価値を高めることができます。ジュニパーネットワークスは、必要なレベルのパフォーマンス、信頼性、および可用性を維持するようにネットワークを最適化することで、オペレーショナルエクセレンスを確保します。詳細については、https://www.juniper.net/jp/ja/products.htmlをご覧ください。

詳細については、ジュニパーネットワークスの担当者にお問い合わせください。

Virtual PTXは、PTXの機能および性能をラボで評価する際にご利用いただけます。テスト環境であるVMM（Virtual Machine Manager）でVirtual PTXを実行される場合は、詳細についてお住いの地域のジュニパーアカウントチームにお問い合わせください。

ジュニパーネットワークスは、ネットワーク運用を劇的に簡素化し、エンドユーザーに最上のエクスペリエンスを提供することに注力しています。業界をリードするインサイト、自動化、セキュリティ、AIを提供する当社のソリューションは、ビジネスで真の成果をもたらします。つながりを強めることにより、人々の絆がより深まり、幸福、持続可能性、平等という世界最大の課題を解決できるとジュニパーは確信しています。

1000617 - 017 - JP 2022年 12月