Customer Success Story
AIインサイトでキャンパス環境を変革したダートマス大学
どの大学もキャンパス内の場所に関係なく、必要としているアプリケーションに高速かつ死角なく、高い信頼性でアクセスしたいという学生のニーズへの対応を迫られています。優れたサービスエクスペリエンスを提供するために、ダートマス大学はMist AIと自動化を駆使したネットワークを採用しました。
優れた Wi-Fi 環境はキャンパス生活に欠かせない
2年前にCIOとしてダートマス大学に加わったとき、ミッチ・デイビス氏はITイニシアチブを大学の使命と戦略計画により沿ったものにしたいと考えました。デイビス氏はこれを、大学を最先端の技術で維持するための情報(I)、コンサルティング(C)、技術(T)という意味で「ICT 2.0」と呼んでいます。
Wi-Fiは最優先事項です。学生は、興味をそそられるカリキュラム、優れた教授、活気のある社会生活と同様に、高速で普及した信頼性の高い無線サービスを期待しています。しかしながら、デジタル世代によってダートマス大学のキャンパスネットワークの容量は圧迫されていました。25,000台のデバイスが接続されており、その台数も数え続ける中で、ダートマス大学では過去数年間でモバイルデバイスの台数が6倍に増加しています。その結果、特に歴史的建物や大講義室では、Wi-Fiは可もなく不可もないものとなりました。
「90%以上が全寮制であるため、学生は学習管理システムや教室お技術に完全にアクセスできることを期待しています」と、ダートマス大学のネットワーキング担当ディレクターであるフェリックス・ウィンド氏は述べています。「ネットワークが寮だけでなく、どこででも機能することを期待しています」
目標を達成するためには、ITチームが現状から解放される必要がありました。デイビス氏は、学生、教員、管理職員らに最高クラスのWi-Fiエクスペリエンスを提供するべく着手しました。そして、それはファイバーからアクセス ポイントにいたるまで、ネットワーク全体を刷新することを意味しました。
最高のキャンパス ネットワークを構築するための連携
Mist プラットフォームの導入は、Tuck School of Business と Thayer School of Engineering で始められましたが、最終的にはキャンパス内の 200 棟の建物すべてに新しい Wi-Fi を展開していく予定です。Mist は、ハイパフォーマンスの 802.11ax および 802.11ac Wi-Fi、Bluetooth LE、IoT を提供します。
ヴィント氏は、導入プロセスを高速化するための自動化ツールを開発しました。「2000か所にアクセスポイントを設置する1時間の作業を短縮できれば、フルタイム従業員1年分に相当します。今までアクセス ポイントを設置することに使用していた時間を、今後は、お客様のサービスを提供するために使うことができます」。
ダートマス大学のキャンパスネットワークでは、Ethernet VPN-Virtual Extensible LAN(EVPN-VXLAN)アーキテクチャを採用することで、レイヤー2/レイヤー3接続に優れた拡張性と効率性を実現しています。EVPNVXLANは、アンダーレイネットワーク(物理トポロジー)とオーバーレイネットワーク(仮想トポロジー)を切り離すことで、柔軟性を向上します。「単純なレイヤー2/レイヤー3ネットワークからEVPNへと当大学のネットワークを変換することで、キャンパス内のセキュリティゾーンを大幅に拡大することができました」とヴィント氏は述べています。そして、境界だけではなく、東西間のトラフィックを詳しく調査できるようになりました」。
ジュニパーネットワークス® QFX10002スイッチがコアネットワークで採用され、ジュニパーネットワークスEX3400イーサネットスイッチがコスト効率の高いアクセスネットワーキングを提供します。シンプルさを念頭に置いて設計されたJunos®オペレーティングシステムは、ジュニパーのネットワーキングとセキュリティをすべて支えています。ネットワークは、信頼性とセキュリティを重視して構築され、ネットワークの運用を自動化します。
学生のレビューで高評価を得る
ジュニパーを採用したMist搭載ネットワークにより、ダートマス大学のすべての人が良い変化を経験しています。今日の高密度モバイル環境向けに設計された5GHzのWi-Fiネットワークにより、学生は学習管理システムにアクセスしたり、ビジネスプレゼンテーションでコラボレーションしたり、エンジニアリングシミュレーションを実行することが簡単にできるようになりました。教授は、教室で視覚教材としてiPadを使用できるようになり、管理職員は職務に必要なリソースにすぐにアクセスすることができるようになりました。
Mistには、Siriのような仮想ネットワークアシスタントであるMarvisも含まれており、自然言語処理を使用して「ゴールドスタインホールにあるアクセスポイントの性能は?」などといった質問に対する回答をITスタッフに提供することができます。
ネットワーク運用も簡略化され、IT部門が束縛される時間が開放されて戦略的プロジェクトに専念できるようになりました。Mist Wi-Fiにより、ITチームはWi-Fiやアプリケーションの使用状況を追跡できるなど、ユーザーエクスペリエンスを新たに可視化できるようになりました。IT部門は初めて、定義されたサービスレベルの確立、測定、実施ができるようになりました。たとえば、誰かが図書館のWi-Fiネットワークに参加する際に2秒以上かかった場合、サービスデスクはこの事象をすぐに知ることができ、障害が発生したのがデバイスなのか、ネットワークの特定の部分なのかを把握できます。この情報を利用して、サポート スタッフは、ネットワーク サービス チームにエスカレーションすることなく、より多くの接続の問題を自分で解決できます。
今後を見据えて、ダートマス大学ではロケーション ベースのサービスの可能性を模索しています。MistプラットフォームはビーコンとBluetooth Low Energyが組み込まれているため、訪問者に目的地へ行くためのターンバイターン案内を提供したり、教室での出席を自動化したり、拡張現実博物館ツアーを提供することができます。同キャンパスはネットワーク基盤を強化し、ダートマス大学がデジタル エリートであり続けるため、心躍るイノベーションの未来に備えていることを、デイビス氏とそのチームは理解しています。
2019年11月公開